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2008年3月 8日 (土)

アウトサイダーアート

知的障害や精神疾患を抱える人々の作品、広義には、専門的な美術教育を受けていない人々の作品を「アウトサイダーアート」と(仏語で「アール・ブリュット」~生の芸術~とも)呼びますが、今、それは世界的にも注目されている芸術だそうです。

先日、ロートレック展を観た帰りに、同じミッドタウン内にあるd-labo(年末年始にミニチュアの展示をさせていただいた引き出しギャラリー)に立ち寄ったところ、ちょうどアウトサイダーアートが展示されていました。

神奈川県平塚市にある「工房絵」(こうぼうかい)という福祉施設で活動している方々の作品です。

キャラメルぐらいの大きさの紙工作の電車が何十個も並んでいて、ひとつひとつの車両が細かく描き分けられているものや、ダンボール製のコレクションボックスに、紙製のミニチュアがびっしり入っているもの、陶器で作った象が何頭も何頭もいるものetc.・・・・。毎日描きためたであろう、気の遠くなるような数のスケッチが入っている引き出しもありました。

そのどれもに、作者のこだわりと並々ならぬ熱中ぶりが感じられて、圧倒されるとともに、鮮やかな色使いや造形には独特のセンスを感じました。

読者の中には、健常者と障害者の作品とに区別を付けることに抵抗を感じる方もおられるかもしれません。実は私もそのことに関して、少し引っかかる部分もあったのですが。

実際に作品を目にしてみると、やっぱりこれは特別な才能だと思いました。

今年1月10日のブログに「サヴァン」と呼ばれる人々のことを書きましたが、その記事とも関連します。サヴァンとは、自閉症などの知的障害を持ちながら、狭い分野で常人をはるかに超える能力を発揮する人々のことです。

映画「レインマン」では、ダスティン・ホフマン演じる自閉症の男性が、電話帳1冊分の名前と電話番号を丸暗記していました。レインマンは要するにサヴァンなんですね。

人間がもともと持っている高い能力の一部が、理性や知性を身につけることによって封印されてしまう、という考え方があるそうで。

サヴァンは、こうした封印から解き放たれた人とも言えます。

そして特に、絵を描いたり、ものを作るという創作活動は、潜在的な能力が引き出されやすいのかもしれません。

工房絵のHP のTOPには、このように書かれています。

「やりたいこと」「好きなこと」から始まる自己表現の欲求は、生きるための大切なチカラです。

制作室では、ひとりひとりの『自分探し』を「ものづくり」を通して支援していきます。

ものを作ることが生きる力につながる、という考え方は大切だと思いました。すべての創作活動の原点だと思います。

工房絵の展示を観て、感動したのは、先に書いた「特別な才能への驚き」があったからですが、それとは逆に、自分の中に共通するものを感じたからかもしれません。

ドールハウスやミニチュアは、普通では想像できないほど細かい作業をたくさん積み上げて出来上がるもので、ある意味、常軌を逸した世界ではないかと思うからです。

普通の主婦であり母である自分の中にも、実はアル・ブリュットな世界があるのかも・・・・。

余談になりますが。

今、私がイチオシしているドラマ「だい好き!!」の最後のタイトルバックの映像に、工房絵の方の作品が使われているそうです。これもうれしい偶然でした。 

アウトサイダーアートについては、3月2日(日)の「新日曜美術館」の放送でもとりあげられました。興味のある方は検索してみてくださいね。

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コメント

アウトサイダーアートにはカルチャーショックを受けました。

先月、アーサー市の美術館でアール・ブリュット展が開催されました。
スイスの美術館の作品と日本人の作品が同時に展示されました。

事前に展示の際のボランテアや宣伝のための講演会があったので参加したのですが、
描きたいから描くという、誰に見せる訳でもない作品群を見てショックを受けたんです。
絵が上手いとかのレベルではない、魂が揺さぶられるレベル!

その時に「新日曜美術館の取材が入るけど、放映された時にはここの展示は終わっているんですよね。残念ですね。」と言っていました。


映像ではなく実物を見なくては‥‥。
ということで、行ってきました。

期待は裏切られませんでした。

もっと若い時に見ることができなかったことが悔やまれます。


投稿: てると゜ | 2008年3月 9日 (日) 07時01分

てるとさんへ

まあ、TVで紹介されていた作品を、実際にごらんになったのですね!!
スイスのローザンヌ市には、アール・ブリュット専門の美術館があって、今回はそこの作品が日本に来たそうで。
TVで観た私がショックを受けたのですから、実際に見たら、すごいでしょう。
アウトサイダーアートを理解していただける方が身近にいて、ちょっとうれしかったです。

投稿: Mutuko | 2008年3月 9日 (日) 18時00分

こんにちは。汐留の展覧会には正直、はじめはあまり期待せずに行ったのですが、実物の迫力に圧倒されてしまいました。
ところでこの本ご存知でしょうか。
http://books.yahoo.co.jp/book_detail/31929097
作者は正規の美術教育を受けているのでアウトサイダーではまったくないのですが,鬼気迫る絵の力がアウトサイだーアートを彷彿とさせます。

投稿: まみ | 2008年9月10日 (水) 23時05分

まみさんへ

ようこそ。コメントありがとうございます。
汐留でアウトサイダーアートの展覧会があったのですか。
情報にうとくてすみません。
そして、紹介していただいた本も知りませんでした。
確かに表紙にも迫力がありますね。

投稿: Mutuko | 2008年9月11日 (木) 10時24分

始めまして僕はかまちに出会って絵を描き始めました
よかったらホームページを
のぞいて見てください
http://www.takayuki-oekakichamp.com/
「お絵かきチャンピオン小林孝至」でも
検索できますよろしくお願いします
よかったらメール&ホームページにコメントも待ってます

投稿: お絵かきチャンピオン | 2010年8月 5日 (木) 19時52分

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